50度洗いで野菜が生き返るって本当?正しいやり方と注意点

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

以前話題になった野菜や果物の「50度洗い」について覚えていますか?
50度のお湯で洗うことで、レタスなどの野菜や果物、お肉や魚までもが驚くほどおいしくなる、という調理法です。
お湯で洗うだけで食材がおいしくなるのですから、まるで魔法のような話でしょう。
しかし、実際に50度洗いによって野菜が新鮮になったり、肉や魚のうまみが増したりするのです。

  • 50度洗いの効果を知りたい
  • 50度洗いをする時間と正しいやり方とは?
  • どのような効果があるのか?

そんな疑問にお答えしましょう。


1.50度洗いとは

50度洗いとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
メリットとデメリットをご紹介します。

1-1.50度洗いとは

「50度洗い」とは、もともとスチーミング調理技術研究会代表の平山一政さんが発見した調理法です。
言葉のとおり、食材を50度前後のお湯で洗うこと。
50度のお湯に入れるとヒートショックという現象が起こり、葉っぱの表面にある気孔が開き、細胞に水分を取り込むことができるのです。
そのため、食材がみずみずしく蘇(よみがえ)ります。
特に葉物野菜は収穫した時点から鮮度の低下が進行しており、見た目以上に水分が不足しているのです。
50度洗いによって水分をしっかり細胞内に取り込むことで、茎や根からの吸水以上に、確実に鮮度を上げることができるでしょう。
50度だと食材が煮えてしまうこともなく、水分が吸収されて味や食感がよくなります。
50度洗いは野菜や果物だけではなく、肉や魚にも効果的。
酸化した油や汚れも取り除くことができ、煮込み料理をするときに出るアクの量も減らすことができます。

1-2.鮮度がよくなる

前述したとおり、野菜や果物は50度のお湯で洗うことで気孔が開き、水分を吸収する力が蘇(よみがえ)ります。
その結果、みずみずしさを取り戻すことができるのです。
また、食材の劣化をすすめる酸化物や菌は、50度で洗うことで減少します。
そのため、長く保存できるようになるのです。
花なども50度洗いすることで長持ちする、ということが分かっています。

1-3.うまみや甘みが増える

野菜はもともと「えぐみ」や「渋み」「苦み」などを備えています。
50度で洗うとこういった部分が取り除かれ、アクや臭みの原因を消すことができるのです。
また、酸化物質を洗い流すことで酸素の活動が活発になるため、食材を一番おいしい状態にすることができます。
そして、うまみとともに甘みが増えることになるのです。

1-4.汚れが落ちやすくなる

50度は食材を傷めずに洗いやすい温度でもあります。
野菜や果物などをスーパーで購入すると薬品がかかっているものばかり。
調理する前に洗うのは当然のことですがお湯で洗うことで薬品や虫も洗い流しやすくなるのです。

2.50度洗いのやり方

では、50度洗いの正しいやり方をご紹介します。

2-1.基本的な手順

用意するものは、少し大きめのボウルと温度計だけです。
まずは、ボウルにお湯を入れて温度計で温度を測りながら50度に設定します。
そこに洗う食材を入れ、丁寧に洗いましょう。
洗い終わったらしっかりと水気を切り、すぐに使わない場合は冷蔵庫で保存するようにしてください。
肉や魚の場合は、洗ったらすぐに使うことをおすすめします。

2-2.洗っても問題のない食材と洗う時間

50度洗いをするとき「この食材は本当に洗ってよいのか?」と迷うことも多いでしょう。
50度洗いをおすすめする食材と洗う時間をご紹介します。
まず、ホウレンソウやキャベツなどの葉野菜は、10~20秒かけて洗うようにしてください。
葉を1枚ずつはがしてから洗うと臭いなども一緒に洗い流すことができます。
ブロッコリーやアスパラガスなどの茎野菜は、葉野菜より長めの2~3分がおすすめです。
キュウリやナスなど実のある野菜、果物は2~3分、トマトやトウモロコシは4~5分を目安に洗ってください。
もちろん、根菜やキノコ類にも50度洗いが適しています。
中まで熱がとおるのに少し時間がかかるため、常温に戻してから5~6分かけて洗うようにしましょう。魚介類は2~3分、肉類は4~5分が目安です。
さらに、冷凍食品も50度洗いをすることが可能であるということを覚えておいてください。

2-3.洗い方

野菜や果物の場合は、表面を傷つけないようにやさしく洗いましょう。
長さのある野菜は上半分と下半分で分けてお湯につけるとやりやすくなります。
お肉は表面をこすり洗いしてお湯につけておきましょう。
終わった後は冷水に取り出してから水気を切ります。
魚は冷蔵庫から取り出してそのままお湯につけてください。
お湯の温度には十分注意が必要になるでしょう。
お肉や魚は2分くらいお湯につけると白っぽくなります。
しかし、お湯からあげて乾かすと元に戻るでしょう。
また、お肉や魚は凍ったままで50度洗いすることもできます。
洗った後で、少し芯が残る程度まで解凍しましょう。
その後、冷水に入れて冷まします。
普通に解凍するよりもうまみを逃がさず、おいしいお肉になるでしょう。

3.50度洗いのコツと注意点

では、最後に50度洗いのコツと注意点をご紹介します。
より食材をおいしくするために、ぜひ参考にしてください。

3-1.温度には十分気をつける

50度洗いにはたくさんのメリットがあります。
しかし、やり方を少し間違えると失敗してしまうでしょう。
最大のポイントは温度です。
温度をきちんと測らずに40度前後で洗ってしまうとかえって雑菌を増やしてしまうことになります。
特に、43度以下になると菌が繁殖しやすくなるので注意が必要です。
温度はしっかりと管理できるように、正確に測れる温度計を用意しておいてください。
そして、熱さの感覚をつかむまでは必ず温度計を使うようにした方がよいでしょう。
しかし、毎回温度計でお湯の温度を測るのは少し面倒ですよね。
そんなときは、次の方法を試してみてください。
水道水が沸騰したときの温度は100度です。
そして、常温の水道水は約15度。
沸騰したお湯に常温の水道水を同じだけ入れると50度の温度に近づきます。
ボウルにお湯を入れて温めておくと冷めにくくなるでしょう。

3-2.洗ったら水切りと乾燥を忘れない

洗ったままにしておくと50度のお湯が揮発し、食材の細胞内に取り込んだ水分も一緒に奪うことになってしまいます。
また、保存するときぬれたままの状態では、葉が溶けたようになり食べることができなくなってしまうでしょう。
洗ったら手早くザルで水切りをして、キッチンペーパーでやさしく水分を拭き取ってください。

3-3.50度洗いを繰り返し行っても効果がある

50度洗いは2~3度繰り返し行っても効果があることが分かっています。
ただし、しなびてからよりも早めに行った方がより効果的でしょう。
なるべく新鮮なうちに、50度洗いを繰り返してみてください。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。
「50度洗い」という言葉を聞いたことはあっても、実践したことがある人は少ないと思います。
実際にどのような効果があるのかを知り、正しい50度洗いのやり方をマスターしてください。
毎日の食卓に並ぶ料理が、もっとおいしくなるはずですよ。