地震後、お湯が出ないときの対処法は? 自分で解決できないときの対処も

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「地震後にお湯が出なくなったらどうすればいいのか」「自分で解決できない場合の対処法は?」など、地震後にお湯が出なくなったときの対処に不安を持っている方は多いでしょう。いつ起きるか分からない地震だからこそ、お湯が出ないケースの対処法を把握しておかなければなりません。

本記事では、地震後にお湯が出ない原因や対処法などについて解説します。

  1. 地震後にお湯が出ないときの原因は?
  2. 地震後にお湯が出ないときに確認すること
  3. ケースごとの対処方法は?
  4. 自分で解決できない場合はどうするか?
  5. 地震後のお湯に関してよくある質問

この記事を読むことで、地震後にお湯が出なくなったときの正しい対処法が分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。


1.地震後にお湯が出ないときの原因は?

地震後にお湯が出なくなるのは、どのような原因が考えられるのでしょうか。

1-1.地震の揺れでガスメーターに強い振動が加わった

地震後にお湯が出なくなった場合、1番に考えられる原因は地震の揺れでガスメーターに強い振動が加わったことです。ガスメーターの多くは、強い振動が加わると安全装置が作動する仕組みになっています。特に、震度5相当以上の地震が起きるとガスメーターの安全装置が作動する可能性が高くなるでしょう。安全装置が作動しているときはガスメーターの表示ランプが赤く点滅するので目視でチェックしてみてください。ただし、地震の揺れによってガス漏れが起きている可能性もあるため、ガスの臭いがしないか十分な確認が必要です。

1-2.点火不良になっている

安全装置が作動していないのにお湯が出ない場合、何らかの原因で点火不良に陥っている可能性があります。地震によって部品が破損したり、給湯器内部に雨水などが入ってしまったりすることで点火不良を起こすのです。素人では点火不良の原因がいまいち分からないケースが多いため、ガス会社や給湯器メーカーなどに連絡したほうがいいでしょう。前述したように、ガスの臭いが立ち込めている場合、一酸化中毒に陥る恐れがあるのでむやみに操作するのは危険です。

1-3.ガスの供給が遮断されている

地震が原因でお湯が出なくなったとき、ガスの供給自体が遮断されている可能性があります。特に、配管を通ってガスを供給している都市ガスの場合、ガスの供給が遮断されると沸かすことができずお湯が出なくなってしまうのです。地震直後にお湯が出なくなった場合は、ガスメーター の安全装置が作動しているか・供給自体が遮断されているかのどちらかが大きな原因になる可能性が高いでしょう。また、電気でお湯を沸かしている場合は、地震によって電柱が倒れ、電気が遮断されている可能性があります。

安全装置が働いていることもあるんですね。
はい。解除方法を試してみましょう。

2.地震後にお湯が出ないときに確認すること

それでは、地震後にお湯が出なくなると、最初にどこを確認すればいいのでしょうか。確認すべきことをいくつか解説します。

2-1.ガスの臭いがしないか必ず確認する

最初に必ずチェックしてほしいのは、ガスの臭いが漂っていないかどうかです。ガスの臭いがする場合、不完全燃焼が起きている証拠となります。不完全燃焼が起きているとガスが漏れ出していると思ってください。そのため、近くに火の気があると火災や爆発が起こりやすくなったり、一酸化炭素中毒に陥ったりするリスクが高まります。特に、気をつけなければならないのは一酸化炭素中毒で、命にかかわる事態になることもあるのです。もし、ガスの臭いがしたら窓を開けて換気してください。そして、すぐにガス会社に連絡しましょう。

2-2.ガスメーターの表示を確認する

ガスの臭いがしない場合は、ガスメーターの表示を確認しましょう。前述したように、ガスメーターの安全装置が作動しているなら、表示ランプが赤く点滅します。ガスメーターの種類によって確認方法は異なりますが、ランプが光ったり点滅したりするので目視でチェックしてみましょう。ガスメーターを確認する際は、まず1度お湯を止めるのがポイントです。表示確認後の対処法に関しては、後ほど【3.ケースごとの対処方法は?】で説明するのでぜひチェックしてください。

2-3.リモコンにエラーコードが出ていないか確認する

ガスメーターと併せてチェックしてほしいのが、リモコンのエラーコードです。地震の揺れによって何らかの不具合が起き、点火不良になった場合、リモコンにエラーコードが表示されていることがあります。地震や天候など自然災害で点火不良が起きた場合、リモコンに101・111・121・290などの数字が表示されるのです。数字は給湯器メーカーによって異なりますが、表示されている数字を確認しましょう。そして、取扱説明書やホームページ等に記載されている数字の意味をチェックしてください。

ガスの臭いの有無やエラーコードなどを確認するんですね。
はい。そうすれば、お湯が出ない原因が分かります。

3.ケースごとの対処方法は?

ここでは、ケースごとの適切な対処法について解説します。

3-1.ガスの復旧作業を試す

ガスの臭いがせず、地震の揺れで安全装置が作動している場合は、以下の復旧作業を試してみてください。

  1. ガスメーターにキャップがついているタイプは、最初にキャップをはずす
  2. 奥まで復帰ボタンを3~5秒ほど長押しする
  3. 約3分経過してからお湯を出して確認する

復帰ボタンを押してから3分待たずにお湯を出してしまうと再度停止する恐れがあるので要注意です。復帰ボタンを押した後は、必ず3分経過してからお湯を出すようにしてください。ガスメーターに異常が見られない場合は、室内のブレーカーをオンオフするだけで改善するケースもあります。

3-2.キッチンのガスも出ない場合

安全装置が働いて、給湯器だけが停止している場合は、リモコンですべての運転を「切」にして、しばらくしてから「入」にすると再び使用可能になるケースがほとんどです。けれども、キッチンのガスも出ない場合は、ガスメーターがガスの供給を遮断した可能性があります。その場合は、ガスメーターを復帰させてください。ガスメーターの復帰作業を行ってもお湯が出ない場合は、給湯器自体が故障している可能性があります。給湯器メーカーなどに連絡をして、調査・修理してもらいましょう。自分で何とかお湯を出そうとしがちですが、ガスの場合は火災や爆発の原因につながるので素人が扱うのは危険です。

3-3.お湯だけでなく水も出ない場合

ガスメーターを確認して異常がないのに、お湯も水も出ない場合、給水管に原因がある可能性があります。寒い地域では給水管が凍結する恐れがあるため、水が出なくなるトラブルが多いのです。給水管の凍結が考えられない場合は、地震で給水管に何らかの不具合が生じた可能性があります。まずは、自分で給水栓の開閉状況を一度確認してください。給水栓が開いているにもかかわらず水もお湯も出ない場合は、水道局に連絡をしたほうがいいでしょう。

自分では対処不可能なこともあるんですね。
はい。その場合は、ガス会社、水道会社による復旧工事を待ちましょう。

4.自分で解決できない場合はどうするか?

自分で解決できない場合の対処法について解説します。

4-1.給湯器に問題がある場合は給湯器メーカーや修理業者に相談する

給湯器に問題がある場合は、給湯器メーカーや修理業者に相談してください。前述したように、自分で解決しようと無理に給湯器を修理しようとする人がいます。しかし、給湯器は繊細な部品で構成されており、ガスや電気を扱っているので火災や爆発の危険があるのです。素人では扱うのが非常に危険なので、無理をせずに専門業者に相談し原因を追及しましょう。原因がハッキリと分かれば、正しい対処法も導き出すことができます。自分で修理するよりも専門業者に依頼したほうが安全かつスピーディーです。

4-2.ガスメーターの復帰作業をしても、お湯が出ない場合はガス会社へ

ガスメーターの復帰作業を試みてもお湯が出ない場合は、ガス会社に問い合わせてください。ただし、地震後は問い合わせが多くなるため、対応してくれるまで時間がかかる可能性があります。たとえ、時間がかかったとしても辛抱強く待ち続けましょう。そこで、辛抱できずに自分で何とかしてしまうとさらに危険な状態になってしまいます。ガスは非常に可燃性が高く危険なので、専門家にすべてを任せるように心がけましょう。ガス漏れをしている場合は、その旨をすぐに伝えることも大切なポイントです。

4-3.水栓や配管トラブルは水道業者に連絡する

水栓や配管トラブルが考えられる場合は、水道業者に連絡してください。給湯器のお湯を作る回路は同じなので、シャワーでお湯が出ればキッチンもお湯が出るのが当たり前です。しかし、キッチンだけお湯が出ない・シャワーだけお湯が出ないなど、どちらか一方が出ない場合は、給湯器ではなく水栓や配管に何らかの原因がある可能性があります。給湯器の業者よりも水道業者へ相談したほうが早めの解決が見込めるでしょう。マンションやアパートなど集合住宅の場合は、まず管理会社に連絡することが大切です。

4-4.原因不明の場合は給湯器修理業者へ

自分でガスメーターや給湯器をチェックしても原因が分からない場合は、給湯器修理業者へ連絡してみましょう。特に、ガス漏れが起きていないなら給湯器修理業者に連絡したほうが、スピーディーに解決できるはずです。給湯器修理業者の多くは、給湯器本体を取り扱っています。給湯器が完全に故障している場合、修理するよりも新しい給湯器を購入したほうが安くなることもあるのです。修理業者に依頼する際は、きちんと現地調査を行ってくれるか・幅広い種類の給湯器を扱っているかチェックしておきましょう。

給湯器が壊れている場合は、業者に連絡すればいいんですね。
はい。また、ガスや水道の状態はテレビやラジオでチェックしましょう。

5.地震後のお湯に関してよくある質問

地震後のお湯に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.給湯器の平均寿命は?
A.メーカーや給湯器の種類によって異なりますが、目安は約10年といわれています。10年以上使い続けている給湯器の場合は、ちょっとした振動でも安全装置が働いたり、部品の劣化によって不具合が生じたりする可能性が高まるのです。経年劣化が影響してトラブルにつながっている可能性もあります。10年以上使い続けている場合は、新しい給湯器への買い換えを検討したほうがいいでしょう。

Q.お湯が出るまで時間がかかる場合の対処法は?
A.地震の大きさによっては、お湯が出るまで時間がかかる可能性があります。水道管が破裂したり、ガスの供給自体が遮断されたりすると、お湯が出るまで数週間かかることもあるのです。その間は、最寄りの温泉やスーパー銭湯を利用する方法がありますが、これらの施設さえお湯が出ない可能性があります。お湯が出ない間は、避難所等でやり過ごさなければなりません。

Q.復帰レバーが取りつけられている場合の対処法は?
A.給湯器の中には、復帰ボタンではなく復帰レバーが取りつけられているものがあります。復帰レバーが取りつけられている場合は、棒などでレバーが止まるまで強く押してください。そして、表示ランプが点灯したら棒などを離せばOKです。ひもつきのレバーの場合は、ひもを復帰レバーが止まるまで引きましょう。すると、ランプがチカチカと点滅に変わり始めます。ただし、メーターが高所に設置されている場合は足元に十分注意して操作してください。

Q.マンションでお湯が出なくなる原因は?
A.マンションでお湯が出なくなる原因は、戸建て住宅と大きな違いはありません。ただ、マンションは特殊な設置形態となっているため、どこに給湯器やガスメーターが設置されているのか事前に確認しておく必要があります。大きな地震が起きた後にお湯が出なくなった場合、マンション全体の給水トラブル・断水・停電などが考えられるでしょう。

Q.地震が起きる前にしておくべき対策は?
A.水やお湯を必要としない備蓄食品を用意したり、常に飲料水を家族の分だけ備えたりする方法があります。地震はいつどこで起きるのか分からないからこそ、できるときに備えておかなければなりません。どうしてもお湯を沸かしたいなら、ガスコンロを用意しておくといいでしょう。飲料水とガスコンロがあれば、地震時でもお湯を沸かすことができます。

まとめ

地震後、お湯が出ないのは給湯器の安全装置が作動している可能性があります。ほとんどの給湯器には、ある程度の振動が加わるとストップする安全装置が備わっているのです。安全装置が作動しているときは、ガスメーターのランプが赤く点滅しています。また、ガスの供給自体が遮断されていたり、水道管が破裂したりしている可能性もあるため、自分で確認すべきところを確認して原因が分からない場合は業者に連絡してください。