
給湯器と電気温水器の違いって? 交換・購入前に知るべきポイント
2017/05/17
2019/09/25
毎日使うお風呂・シャワー・洗い物・飲用など、お湯は私たちの生活にかかすことができないものです。そのお湯を沸かすための給湯器や電気温水器には、寿命があることをご存じでしょうか。使用状況や環境によっても異なりますが、約10年で寿命がきてしまうのです。
そこで今回は、交換前に知っておきたい、給湯器・電気温水器の違い・ポイント・業者選びのコツなどをご紹介します。
完全に故障してしまうと、交換するまでの間、お湯を使えなくなってしまいます。ゆとりがある今のうちに、給湯器・電気温水器についての知識を押さえておきましょう。
1.給湯器と温水器について
1-1.給湯器とは?
給湯器とは、お湯を供給するための機械(器械)です。ガスでお湯を沸かすもの・電気で沸かすものなどがあります。
1-2.電気温水器とは?
「貯湯式」の電気温水器は、電気ヒーターで温めたお湯を給湯タンクの中にためておきます。電気代が安い深夜11時~朝7時の間にお湯を温めるのです。この仕組みを「貯湯式」といいます。一方、蛇口をひねってから水を温める「瞬間式」もあり、こちらはお湯をためておく必要がないため、タンクの分スペースを省くことができるのです。
2.給湯器と電気温水器の違いについて
2-1.ガス給湯器と電気温水器の違い
2-1-1.エコジョーズについて
ガス給湯器システムの中で、有名なのがエコジョーズです。エコジョーズはガスでお湯を温めますが、その際に出る排熱も利用します。そのため、少ないガスでお湯を沸かせるのがエコジョーズの強みです。ただし、設置費用(イニシャルコスト)が20万程度と高額になります。また、ガスを使った給湯システムなので、節約になるとはいえ、ガス代が高い地域には向いていないかもしれません。
2-1-2.電気温水器について
一方、電器でお湯を沸かすのが電気温水器です。ガスを使わずにお湯を沸かすので、ガス漏れなどの心配がいりません。屋外タンクにお湯をためるので、スペースを取りますがランニングコストの安さが売りです。設置費用は比較的安価ですが、本体が20万~と高額になります。
2-2.電気給湯器と電気温水器の違い
電気給湯器と電気温水器の大きな違いはお湯を「ためる」かどうか、ということです。温水器が深夜にお湯を作ってためておくのに対し、給湯器は必要なときにお湯を沸かすという仕組みになります。すぐにお湯を使いたい・ガス代が高い・ガスを使いたくないといった場合には電気温水器が便利です。電気温水器は、深夜にお湯をためておくため、タンク内のお湯を使いきってしまうと、たまるまで待たなければなりません。来客が多いなど1日に使う湯量が安定していない家庭には向いていないでしょう。
3.給湯器・電気温水器について
3-1.選び方のポイント
給湯器・電気温水器を選ぶ際のポイントは、なんといっても給湯量です。給湯器は「号数」で、電気温水器はタンクの「貯湯量」で決まります。
3-1-1.号数
給湯器の号数は、少ないものから10号・16号・20号・24号・28号があります。この号数の数字で出湯量が決まるのです。計算式をご説明します。
- 毎分出湯量=(号数×25)÷(湯温-水温)
たとえば、冬場で水温が5℃の際、24号の給湯器では1分間に(24号×25)÷(42℃-5℃)=約16.22リットルのお湯を出すことができます。夏場(水温が20℃)なら(24号×25)÷(42℃-20℃)=約27.27リットル/分間です。目安をご紹介します。
- 1人…16号
- 2人…16号・20号
- 3~4人…24号・28号
シャワーと台所で同時にお湯を使う機会がある家庭では、余裕を持った号数にしておくことをおすすめします。
3-1-2.貯湯量
電気温水器は、貯湯量のお湯を使いきってしまうと、次にお湯がたまるまで待たなければなりません。ゆとりを持ったタンクの大きさを選びましょう。
- 1人…150リットル(お湯はり1回・シャワー1回・洗い物洗面)
- 1人~2人…200リットル(お湯はり1回・シャワー2回・洗い物洗面)
- 2人~3人…300リットル(お湯はり1回・シャワー3回・洗い物洗面)
- 3人~4人…370リットル(お湯はり1回・シャワー5回・洗い物洗面)
- 5人~7人…460リットル(お湯はり1回・シャワー7回・洗い物洗面)
3-2.メーカーについて
給湯器・電気温水器の主なメーカーをご紹介します。大手メーカーのものは、対応している業者が多く、工事がしやすいのでおすすめです。
- 給湯器:リンナイ・ノーリツ
- 電気温水器:三菱電機・パナソニック・日立
3-3.最近の傾向
給湯器や電気温水器に切り替える際は、本体代や工事費がかかるものです。しかし、ランニングコストが安くなることを見越して切り替えるという方が増えてきています。光熱費を見直したうえで、給湯器・電気温水器を交換するというのは、節約の意味でも一般的な選択肢となってきているのです。
3-4.注意点
マンション・アパートなど、住宅環境によっては貯湯タンクや給湯器を設置できない場合があります。特に貯湯タンクはスペースが必要なため、物理的に設置できないケースも多いようです。まずはご家庭がどの給湯器・温水器を設置できるかを確認してみましょう。
4.給湯器・電気温水器の業者の選び方
4-1.業者を選ぶポイント
業者を選ぶ際は、下記のポイントを参考にしてください。
- 料金体系が明確であること
- 実績が十分にあること
- 無料見積もりをおこなえること
- アフターサービス・フォローがあること
4-2.注意点
アパート・マンションや賃貸物件によっては、給湯器・電気温水器が設置できない場合もあります。事前に大家さんか管理人に確認しておくか、業者の見積時に立ち会ってもらうと安心です。
5.給湯器・電気温水器についてよくある質問
Q.給湯器・電気温水器を安く設置するには?
複数業者に見積もりを依頼し、見積もり合わせをするのがおすすめです。
Q.お湯が出なくなってしまったのですが・・・。
水は出るがお湯が出ない・お湯になったりならなかったりする(お湯の温度が安定しない)、リモコンにエラーが出ている、など状況をしっかり確認しましょう。断水・リモコンの設定ミス・台所とお風呂で同時にお湯を使っている、などが原因かもしれません。ガス臭い場合は、ガス会社や業者にただちに連絡してください。
Q.給湯器を交換するついでに号数をあげたいのですが・・・。
スペースによっては、設置できる給湯器の号数に上限があります。マンション・アパートの管理人に確認するか、業者に見てもらうと確実です。
Q.古い給湯器の処分はどうしたらいいですか?
自治体のゴミ区分にしたがって処分してください。粗大ゴミ料金は1,000円前後の地域が多いでしょう。給湯器設置・交換ガイドに工事をご依頼いただければ、古い給湯器の処分も可能です。
Q.あやしい業者にひっかからないためには?
- 見積書・料金などは、必ず書面・データでもらう
- 料金と費目が一致しているかを確認する
- オプション料金の有無について、事前に確認する
- 資格の有無を確認する(給水装置工事技術者・電気工事士・ガス機器設置など)
上記のような観点で業者を選ぶと、悪徳業者を避けることができます。
まとめ
給湯器・電気温水器についてご紹介しました。給湯器の寿命はおよそ10年です。寿命がきてしまった給湯器や、故障した給湯器を使い続けると、エネルギーを無駄に使い電気代がかさんでしまう可能性があります。また、不完全燃焼によるガス中毒などの危険性もあるのです。完全に壊れてしまう前に、余裕を持って交換を検討しましょう。家庭によってよりよい給湯器・電気温水器を選ぶことで、生活が快適になり、光熱費が節約できるはずです。