
湯沸かし器が故障した場合の症状は?お湯が出ない場合も故障なの?
2015/10/31
2019/03/20
寒くなるにつれて、キッチンでお湯を使う機会も増えてきます。お湯をたくさん使う家や、古い集合住宅などはキッチンに湯沸かし器が備えられているところが多いでしょう。湯沸かし器は、欲しいときにすぐお湯が使える便利な道具です。しかし、湯沸かし器が故障すると最悪の場合、命の危険もあります。
そこで、今回は湯沸かし器が故障した場合の症状についてご説明しましょう。お湯が出ないから故障、と決まったわけではありません。しかし、調子の悪い湯沸かし器を使い続けても事故の原因になります。最近湯沸かし器の調子が悪くて困っているという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.湯沸かし器と給湯器の違いは?
一般的に給湯器は家全体にお湯を供給する装置。湯沸かし器は、キッチンになどに取りつけて一か所だけにお湯を供給する装置を指します。「小型給湯器」という名前で呼ばれることもあるでしょう。
給湯器より二回り以上小さく、狭い場所に取りつけられて工事も簡単な反面、一度に供給できるお湯の量に限りがあります。お湯をたくさん使う家や古い集合住宅など、給湯器の設置が難しい物件で使われることが多いでしょう。
2.湯沸かし器のお湯が出ない!これって故障?
湯沸かし器のお湯が出なくなると、慌ててしまいます。特に、冬場は冷たい水で炊事や皿洗いをするのも大変です。しかし、お湯が出なくなったからといって故障とは限りません。
まずはガスの元栓を確認してみてください。湯沸かし器の燃料はガスです。当然ですが、ガスが供給されなければお湯は沸きません。プロパンガスを使用している場合は、残量も確認しましょう。少なくなっていた場合は、早急に交換してもらってください。
また、給湯器はスイッチを入れると乾電池を電源として火花を散らし、着火します。ですから、乾電池がなくなっていると、火花が散らずに着火できません。スイッチを入れたときに「パチパチ」という音がしない場合は、火花が出ていない可能性が高いです。
一度電池を交換してみてください。
さらに、お湯は出るもののすぐに水になってしまうという場合は、換気不足で安全装置が働いた可能性があります。この場合は、警告ランプなどがつくこともありますので、説明書で確認をしてみましょう。このように、湯沸かし器の故障以外でも、お湯が出なくなることがあります。お湯が出ないから故障した、と思わずにまずは湯沸かし器を確認してみてください。
3.湯沸かし器が故障したときの症状は?
では、湯沸かし器が故障した場合はどのような症状が出やすいのでしょうか? この項では、その一例をご説明します。
3-1.電池やガスを確認しても異常がないのに水が出ない
電池やガスなどを確認しても異常がないのに水が出ない場合は、湯沸かし器の故障が考えられます。何度か湯沸かし器のスイッチを押してもガスがつかない場合は、無理に動かそうとはせず、給湯器の使用を中止しましょう。
3-2.ガスが途中で消える
湯沸かし器は安全装置がついていて、換気不足だとガスが消えるようにできています。この際、ランプが点滅したり警告音が鳴ったりするのです。しかし、そのような反応がなくガスが途中で立ち消えてしまう場合は、故障の可能性が高いでしょう。
3-3.水が漏れる
湯沸かし器の中の部品が劣化すると、水漏れが発生する場合があります。ガス火に水がかかると立ち消えの原因になりますので、湯沸かし器本体から水が漏れてくる場合は、すぐに使用を中止してください。しかし、シャワーヘッドと本体をつなぐ管から水が漏れている場合は、交換すれば問題なく使用できます。この管とシャワーヘッドに限っては自力で交換できるので、説明書を確認してみましょう。
3-4.異臭・異音がする
ガスが湯沸かし器内で不完全燃焼を起こしている場合、異臭がしたり小さな爆発音のような異音がしたりします。このような症状が起こった場合は、すぐに使用を中止してください。ガスが不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生し、中毒症状が出る場合があります。
最悪の場合、命にかかわりますので「しばらく時間がたってから再稼働したら問題がなかった」という場合も、点検が必要です。
4.故障した場合は修理と交換どちらがお得?
湯沸かし器は、小型な分給湯器よりも安価です。ですから、故障したら即交換という方も少なくありません。給湯器の部品の中には、使うたびに劣化していくものも多いのです。ですから、長年使っていた給湯器が故障した場合は、修理をしても別の故障がすぐに出てくる場合もあります。
給湯器の寿命は使う頻度によって変わりますが、よほど酷使しない限りは、8年~13年は問題なく使えるでしょう。ですから、8年以上使った給湯器が故障した場合は交換をし、それ未満のものは修理をしてもらえるか確認してみてください。
なお、賃貸住宅の湯沸かし器は、その家の設備になります。ですから、寿命がきて故障した場合は、大家や管理会社に連絡してください。無償で交換してもらえるでしょう。ただし、賃借人があやまって湯沸かし器を壊してしまった場合は、賃借人の負担で交換することになります。
5.湯沸かし器は使い方を守ろう
湯沸かし器は、給湯器のように一度に大量のお湯を沸かせません。ですから、給湯器と同じような使い方をすれば、故障の原因になるでしょう。たとえば、お風呂を沸かすのが面倒と、湯沸かし器にホースをつないで浴槽に給湯したりしてはいけません。
また、湯沸かし器を勝手に改造しても、故障や事故の原因になります。大手給湯器メーカー製の湯沸かし器で一酸化炭素中毒事故が多発した事件を、覚えておられる方もいるでしょう。あれは、湯沸かし器の安全装置を不正改造したことが原因だったのです。
湯沸かし器は、換気をしながら使うことが前提になっています。ですから、閉めきった部屋で湯沸かし器を使っていると、安全装置が働いてガスが止まるのです。面倒に感じるかもしれませんが、ガス湯沸かし器を安全に使うために必要なこと。勝手に改造したりしないようにしてください。
また、湯沸かし器は自分で取りつけられそうに思えますが、ガス管や水道管をつなぐ必要があるので資格が必要です。前述したシャワーヘッドと管以外は業者に依頼してください。
おわりに
今回は、湯沸かし器が故障した場合の症状などについてご説明しました。
まとめると
- 湯沸かし器は、給湯器よりも小型で簡易的な製品のため、一か所に給湯する目的で使用される。
- お湯が出ないからといって故障とは限らない。
- 湯沸かし器が故障した場合は、すぐに使用を中止すること。
- 8年以上使った湯沸かし器は交換した方がお得。
ということです。湯沸かし器の構造はそれほど複雑ではありません。ですから、使い方を守っていれば、寿命による故障以外は起こりにくいでしょう。給湯器の調子が悪い場合は、早めに業者へ連絡して様子を見てもらってください。これから冬にかけては、湯沸かし器だけでなく給湯器の修理の依頼も増えるそうです。飲食店などお湯をたくさん使う施設では、定期的に点検もしてもらいましょう。そうすれば、急にお湯が出なくなった、ということもありません。