灯油ボイラーの油漏れや故障にお悩みの方へ! 対処方法5つのポイント

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灯油を燃料とし、パワフルにお湯を供給してくれる灯油ボイラーは、お風呂にキッチンにと毎日活躍してくれる力強い給湯器です。ガスや電気の給湯器もありますが灯油ボイラーは特に寒冷地で根強い人気を保っています。けれども、灯油ボイラーは油漏れなどのトラブルが起こるとどうしていいのか困ってしまうものです。そこで、ここでは灯油ボイラーの油漏れの原因や対処法、修理・交換についてまとめてみました。

  1. 灯油ボイラーとは
  2. 灯油ボイラーの油漏れについて
  3. 灯油ボイラーの油漏れの対処法
  4. 灯油ボイラーの修理・交換について
  5. 灯油ボイラーの油漏れ〜よくある質問〜

この記事を読んでいただければ、灯油ボイラーの故障についての解決策が見つかります。ぜひお役立てください。


1.灯油ボイラーとは

灯油ボイラーの故障・修理・交換について知る前に、「灯油ボイラー」にかんしての基礎知識を学んでみましょう。

1-1.灯油ボイラーとはどんなものか

1-1-1.ボイラーとは

ボイラー(Boiler)とは、簡単にいうと「燃料を燃やすことで水を熱し、お湯や水蒸気に換える熱交換器」を持った機器のことです。ひとくちにボイラーといっても規模や構造はさまざまな種類があり、家庭からオフィスビル・病院・ホテル・工場などあらゆる場所で用いています。家庭用のボイラーは、一般的には「給湯器」と呼ぶことが多く、灯油(石油)・ガス・電気を燃料としたものがあるのです。ここでは家庭で使う「灯油ボイラー」についてご説明しましょう。

1-1-2.灯油ボイラーとは

灯油ボイラーは、「石油給湯器」「灯油給湯器」ともいいます。その名のとおり、灯油を燃料として水を熱しお湯に替えて供給する機器です。灯油ボイラーは、1960年ごろに普及しパワフルな燃焼力があるために今でも根強い人気を保っています。そして、灯油ボイラーの給湯方式には「水道直圧式」と「減圧式」の2種類があるのです。さらに、次世代型のエコフィールも注目を集めています。それぞれのメカニズムにかんしては、次の項でご紹介しましょう。

1-2.灯油ボイラーの特徴

灯油ボイラーの「水道直圧式」「貯湯式」「エコフィール」の特徴を、メリット・デメリット含めてご紹介しましょう。

1-2-1.水道直圧式

水道水の圧力をそのまま利用して給湯するタイプです。冷たい水道水を最初に補助熱交換器で温め、さらに主熱交換器で熱くして給湯します。水圧が強いので浴室が2階にあってもシャワーの勢いが衰えません。家族でストレスなくお湯を使うことができます。また、お湯を使用するたびに沸かすので灯油使用量を節約できるのもメリットでしょう。ただし、古い配管の場合は、高い水道圧に耐えられず破裂する恐れがあります。また、灯油価格が「貯湯式(減圧式)」と比較すると割高になることや、少量のお湯を出せないのがデメリットです。

1-2-2.貯湯式(減圧式)

水道水の圧力をいったん減圧してからお湯を作り、一定量をタンクにためます。水道直圧式と比較すると給湯圧力は低くなるのです。また、「水道直圧式」と比較すると燃料費は割安で減圧するのために古い配管でも使用できます。また、少量のお湯でも出せるのです。ただし、シャワーの勢いが弱いことや、2階に給湯したいときには「減圧高圧式タイプ」に限られるのがメリットでしょう。

1-2-3.エコフィール

エコフィールは、従来捨てていた「排ガスの中の熱」を集め再利用する「家計と環境に優しい」石油給湯器です。熱効率が95%に高まるので灯油の使用量を節約できます。また、従来の石油給湯器にありがちな運転音や灯油の匂いなども改善しているのです。ただし、初期の設備投資費が従来型の石油給湯器と比較すると7〜8万円ほど高く、平均19万円以上になるのがデメリットといえます。エコフィールにも、直圧式と減圧式があるのです。

1-3.灯油ボイラーの種類

家庭用の灯油ボイラーには、主に3つの種類があります。

  • 給湯単機能タイプ:キッチン・洗面所・お風呂で使うお湯を作ります。浴槽にお湯をためるには手動でお湯をため、追い炊き機能はありません。
  • 風呂給湯器:給湯単機能タイプと同じ給湯機能に追い炊き機能をプラスしたタイプです。ほかの場所でお湯を使いつつお風呂の追い炊きもできます。
  • 風呂がま:浴槽にためた水からお湯を沸かす風呂専用の給湯器で、お湯が冷めたら追い炊きができます。

灯油ボイラーは、給湯力が高く安定しているので毎日大量のお湯を使う家庭や人数の多い家庭、一戸建ての家庭、寒冷地に向いています。比較的コストパフォーマンスがよいのも魅力でしょう。ただし、灯油が切れないように定期的に給油をしなければなりません。給湯器の近くに灯油タンクを置くスペースが必要になります。また、火事のリスクはガスや電気よりも高いために分譲マンションでは設置できないこともあるのです。

1-4.他熱源の給湯器との比較

灯油ボイラー(石油給湯器)のほかには、電気給湯器とガス給湯器があります。どのような違いがあるのでしょうか。

1-4-1.ガス給湯器

ガス給湯器は、都市ガスやプロパンガスを燃料としてお湯を作る給湯器で、現在では1番普及しています。ガス給湯器は、故障が少なく燃料制御が簡単で、給湯力も高いのがメリットです。ガスの強い火力でお湯を沸かす「瞬間式」がメインで、設置スペースも小さく給湯器自体が安いのも普及している理由でしょう。ただし、月々の光熱費は1番かかります。また、エコフィール同様、廃熱を利用することでガス代を抑えられる次世代型給湯器「エコジョーズ」もあるのです。

1-4-2.電気給湯器

電気給湯器は、電気料金が安くなる深夜に電力でお湯を沸かしタンクにためるタイプです。石油・ガス給湯器のように、配管工事をする必要がなく給排気設備も不要なのでスペースもとりません。電気代は抑えることができますが使うお湯の量に限界があります。貯水式なので「貯水タンク」を設置する場所が必要です。

また、大気熱を利用し消費電力を抑えた次世代型電気給湯器「エコキュート」もあります。ただし、「1日分」のお湯しか作れないので、お湯の使用量が少ない家族では電力の無駄になってしまうでしょう。また、昼間に湯切れしてお湯を沸かすとガスよりも高くなります。導入費用が高くなるのも難点です。

1-5.主なトラブルと寿命について

灯油ボイラーの寿命は、設置場所や使用状況によっても異なりますが一般的に8年〜10年といわれています。ガス・電気給湯器よりは5年ほど短くなるのです。しかしながら、初期費用や燃料代が安いので「安定して大量にお湯が使える」というメリットを重視する人も少なくありません。

また、灯油ボイラーのトラブルには以下のような症状があります。

  • 給湯温度が安定しない
  • エラー表示がよく出るようになった
  • 音がうるさい、もしくは異音がする
  • お湯の量が少なくなった
  • 給湯器から煙が出る
  • 油漏れがする

2.灯油ボイラーの油漏れについて

灯油ボイラーのトラブルの1つ「油漏れ」とは、どのような状態なのでしょうか。

2-1.どんな状態か

灯油ボイラーの下部にぬれたようなシミがある場合は、油漏れの可能性があります。気が付かない程度のシミから、一目でわかるほどポタポタと油が漏れている状態もあるのです。

2-2.灯油ボイラーのメカニズム

基本的に、灯油ボイラーは「給湯器本体」とホース(送油管)で接続した「オイルタンク」の2体でできています。

「1-2.灯油ボイラーの特徴」でご紹介したように、オイルタンクから送られる灯油を燃料として、炎で水道水を直接温める「直圧式」か、タンクにためた水を温める「貯湯式」があるのです。そして、油漏れは給湯器本体とオイルタンクの両方で起こります。

2-3.主な原因

油漏れは主に以下のようなことが原因で起こります。

  • 送油管がゆるんでいる
  • ゴム製の送油管の場合、ひび割れや亀裂がある
  • 油通路のパッキンに不具合がある
  • 内部バーナーの部品より漏れている
  • 電磁ポンプ本体から漏れている

2-4.故障か?

灯油ボイラーの油漏れは、修理可能な状態なのか交換が必要な故障なのかは、実際に状態をチェックしてから決めます。対処の方法は後の項でご説明しましょう。

2-5.危険なこと、注意点

インターネットの掲示板などを見ると、灯油ボイラーの油漏れを自分で修理する方法などが書いてあります。けれども、どのような灯油ボイラーをどのような状態で使用し、どの程度の油漏れを起こしているかは人によって異なるのです。素人判断で灯油ボイラーをいじるのは危険なので自己流の修理はしないようにしましょう。

3.灯油ボイラーの油漏れの対処法

灯油ボイラーの油漏れを放置していては危険です。日頃から注意して点検をしてください。また、もし油漏れを発見した場合はどうしたらいいのかをご紹介しましょう。

3-1.チェックすべきところ

灯油ボイラーの油漏れの有無は以下の部分をチェックしてください。

  • ゴム製送油管(屋内式灯油ボイラーの場合)を少し曲げて、ひび割れや亀裂がないかを確認する
  • 送油管やオイルタンク・灯油ボイラー本体などの接合部分にゆるみがないかを確認する
  • 本体やタンクの下部から油漏れしていないかを確認する

3-2.自分でできる対処法

自分でできる対処法は、定期的に「3-1.チェックすべきところ」で挙げた部分を確認することと、年に1回は販売店などの業者による定期点検を受けることです。油漏れを発見した場合は、「2-5.危険なこと、注意点」でもご紹介したように、自己流の修理はせず販売店などに相談してください。

3-3.まずはどうするか

灯油ボイラーの油漏れを発見したら、まずは販売店に点検や修理などを依頼してください。メーカーの相談窓口に問い合わせをしてみるのもいいでしょう。製品の取り扱い説明書の巻末に、保証書や販売店の連絡先などが書いてあります、

4.灯油ボイラーの修理・交換について

灯油ボイラーにトラブルがあったとき、修理して使い続けたほうがいいのか交換したほうがいいのか迷いますよね。ここでは、修理や交換についての知識をご紹介しましょう。

4-1.修理か交換か

灯油ボイラーを修理して使い続けるか、思いきって新しい製品に交換するかは、以下のことを目安に考えましょう。

  • トラブルの深刻度
  • 修理が可能か不可能か
  • 製造年からどれくらい経過しているか

軽い故障なら修理も可能です。修理費用は修理内容によって異なります。メーカーの保証期間内であれば無料で修理をしてもらえるでしょう。

また、「1-4.主なトラブルと寿命について」でご紹介したように、灯油ボイラーの寿命は8年〜10年です。そして、メーカーでは灯油ボイラーの部品は「製造終了から10年まで」をめどに保管しています。製造終了から10年以上経過した灯油ボイラーが故障した場合、「技術的には修理できても部品がないために修理が不可能」というケースも多いのです。寿命が近い灯油ボイラーの場合は、交換を考えたほうがいいでしょう。

給湯器は年々進化しています。灯油ボイラーは経年とともに劣化して熱効率も衰えてしまうのです。新しい製品に交換したほうが燃料代の節約になるでしょう。

4-2.依頼について

灯油ボイラーの修理や交換は、給湯器の販売と設置工事などを行っている業者に依頼できます。修理すればまた使えるのか交換をしたほうがいいのかは、素人では判断できないものです。家庭でお湯を使う量・家の構造なども考慮しつつ、適切な製品を選んでくれる業者に依頼しましょう。

4-3.費用について

修理費用は、故障やトラブルの状態や箇所によって異なります。基本的には、「部品代+技術費+出張費×消費税」が必要になるのです。また、交換する場合は「給湯器の費用+工事費+古い給湯器の処分費」が必要でしょう。事前に見積もりを出してくれる業者を選んでください。

給湯器設置・交換ガイドでは、給湯器の販売と設置工事、修理を行っています。無料で見積もりを行ってますので、お気軽にご利用ください。

4-4.業者を選ぶポイント

灯油ボイラーの油漏れが見つかった、トラブルが起こった、新しい製品に交換したい、などのとき給湯器の販売業者をインターネットで探す人も多いでしょう。どのようなことを基準に選べばいいのかをご紹介します。

4-4-1.無料見積もり&相談を行っている

修理にしても交換にしても、事前にどれくらいの料金がかかるのかわからないと不安ですよね。「4-3.費用について」でも挙げましたが、給湯器設置・交換ガイドではインターネットのフォームによる無料見積もりや、お問い合わせに対応しております。電話(フリーダイヤル)でのお問い合わせも年中無休で行っておりますのでお気軽にご利用ください。

4-4-2.対応が早い

灯油ボイラーの油漏れは、できるだけ早く修理したいものです。修理にしても交換にしても、すぐに対応してくれる業者を選ぶことが大切でしょう。

4-4-3.給湯器工事のスペシャリスト

修理・交換・工事や適切な製品選びと販売は、キャリアを積んだスペシャリストでないとできません。灯油ボイラーを含む給湯器に詳しい業者を選びましょう。

給湯器設置・交換ガイドは、17年以上の現場経験と給水装置工事主任技術者ほか7つの専門資格を持っています。相談から修理・工事まですべておまかせください。

4-5.トラブル対応とアフターフォロー

灯油ボイラーなどの給湯器は「購入して設置したら終わり」ではありません。特に、灯油ボイラーは「3-2.自分でできる対処法」でご紹介したように1年に1度は点検が必要です。トラブルがあったときには気軽に相談でき、修理や交換に対応してくれる業者を選ぶことが大切でしょう。また、アフターフォローも万全な業者なら、安心して製品を使うことができます。

給湯器設置・交換ガイドでは、メーカーによる製品の保証だけではなく、当社で施工した場合には「10年間無償で修理対応」もしているのです。さらに、有償で「JBRジャパンベストレスキューシステム株式会社」の商品延長保証も行っております。

4-6.注意点

「最新型だから」と高額な給湯器や給湯システムを強引に押し付けるような業者には注意してください。給湯器は、どんなに最新で多機能な製品であってもお客さまの住居環境に合っていない場合は取り付けることができません。

また、給湯器は「1日にどれくらいの量のお湯が必要か」を考え、目的に合った給湯量を持つ製品を選ぶことが大切です。製品選びの相談に乗ってくれない、対応がおざなりなどの業者には依頼しないほうがいいでしょう。

5.灯油ボイラー〜よくある質問〜

灯油ボイラーや故障、油漏れにかんして、よくある質問をご紹介しましょう。

5-1.灯油ボイラーの故障について

Q.灯油ボイラーの故障の中でも、「すぐにでも業者を呼んだほうがいい故障」を教えてください。

A.はっきりとした油漏れのほかに、黒い煙が出る、異臭がするなどの場合はすぐに業者を呼んで点検・修理をしてもらいましょう。放置していると火災につながる危険性もあります。

5-2.エコフィール(高効率型石油給湯器)について

Q.エコフィールにしたいと思うのですが、何を基準にどんな機種を選んでいいのか迷っています。

A.エコフィールは、「給湯能力」と「直圧式か減圧式」が選ぶポイントです。製品には「給湯能力=Kw(kcal/h)」が記載されているのでチェックしてください。4人家族なら40,000kcal/hが最適です。また、直圧式か減圧式は「1-2.灯油ボイラーの特徴」を参考にしてください。基本的には2回に浴室やシャワーがある人(これからほしい人)なら直圧式、1階でしかお湯を使わない場合は減圧式がおすすめです。

5-3.エコフィールについて

Q.エコフィールに替えたいのですが、どのようなタイミングで替えるのがいいのでしょうか?

A.エコフィールでは床暖房機能を取り入れることができるので、家をリフォーム・新築するときに取り入れると給湯と床暖房機能の両方を使えます。また、お湯をたくさん使うご家庭では、現在の給湯器が寿命を迎えたときがエコフィール導入のチャンスでしょう。

5-4.灯油ボイラー業者について

Q.灯油ボイラーの購入と取り付け工事は同じ業者のほうがいいのでしょうか?

A.灯油ボイラーは、取り付けたら終わりではなく定期的に点検をすることが大切です。購入・取り付け工事・点検・修理などは一貫して同じ業者に依頼したほうが安心でしょう。給湯器設置・交換ガイドでは、単品で購入するよりもお得な工事費込みのパックサービスを行っています。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。灯油ボイラーの油漏れや修理、交換などについておわかりいただけたかと思います。灯油ボイラーは、季節に関係なく毎日使用するので故障すると困ってしまうものです。特に、油漏れは放置しておくと危険なのですぐにでも対処してください。灯油ボイラーの故障やトラブルは、自己判断で修理をするのは危険です。必ず、プロの業者に問い合わせをして点検をしてもらいましょう。また、寿命が近い製品なら故障を機に新しい製品に交換するほうがお得なこともあります。よく考えて、自分に合った方法を選んでくださいね。