
追い焚きができない?! 故障かどうかの見分け方・対処方法を徹底解説!
2017/01/06
2019/02/27
お湯が冷めてしまってもガス代や電気代のみで適温まで温め直すことができる追い焚きは、とても便利な機能です。特に、家族が多かったり入浴時間がバラバラだったりするご家庭では、重宝していることでしょう。1人暮らしだったり湯船に入る人数が少ないときは、お湯をはり直すより沸かし直した方が経済的です。だからこそ、急に追い焚きができなくなってしまうと困りますよね。追い焚きができないと即故障と考えがちですが、操作ミスで追い焚きができなくなることもあるのです。
そこで、今回は追い焚きができなくなる理由や対処法をご紹介しましょう。
対処方法が分かれば、業者を呼ぶ目安もつけやすくなります。自宅のお風呂に追い炊き機能がついている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.追い焚き機能の基礎知識
追い焚きできない原因をご紹介する前に、追い焚き機能の基礎知識をご紹介します。どのような機能なのでしょうか?
1-1.追い焚き機能とは?
追い焚き機能とは、浴槽内のお湯を循環させて再び温め直す機能です。家庭内すべてに1台でお湯が供給できる大型の給湯器が普及してから、追い炊き機能を持つお風呂が増えてきました。浴槽内のお湯を循環させて温め直すシステムです。
1-2.追い焚き機能の種類について
追い焚き機能には、一つ穴と二つ穴があります。二つ穴は古いタイプの風呂釜に設置されている追い焚き機能で、浴槽内に2つ穴が開いているのが特徴です。浴槽内に溜まっているお湯の温度差を利用してお湯を循環させるタイプになります。二つ穴は温めにムラが出やすく、湯あかが循環パイプの中に溜まるため、掃除も大変です。また、給湯器も浴室のすぐ隣に設置しなければなりません。そのため、新しい浴室に二つ穴の追い焚き機能がつけられることはほとんどないでしょう。また、二つ穴から一つ穴の追い焚き機能へのリフォームも行えます。
一つ穴の追い焚き機能は、給湯器内に循環用のポンプを設置してあり、強制的にお湯を循環させて追い焚きをするタイプです。そのため、強制循環方式とも呼ばれています。一つ穴は温めのムラが出にくく、給湯器が浴槽から遠くに設置してあっても問題ありません。そのため、現在は追い焚き機能の主流となっています。
1-3.追い焚き機能のメリット
追い焚き機能がついていれば、ガス代や電気代のみでお湯を温め直すことができます。そのため、家族の人数が多く入浴をしている内にお湯が冷めてしまうというご家庭などには重宝されるでしょう。
また、家族の人数が少なく、1回の入浴でお湯を変えるのはもったいないというご家庭では、お湯を沸かし直して入浴するということもできます。ただし、家族の人数が少なくても入浴後のお湯は汚れており、時間が経つほど雑菌が繁殖するのです。そのため、雑菌の繁殖を防止するグッズや重曹で雑菌の繁殖を抑えるとよいでしょう。
2.追い焚き機能のよくあるトラブル
最近の給湯器は安全性が高いため、ちょっとしたことで安全装置が働いて止まってしまうこともあります。この項では、追い焚き機能のよくあるトラブルをご紹介しましょう。
2-1.追い焚きができない
追い焚きスイッチを押しても追い焚きができないと困りますよね。その時はまず、お湯が溜められたのかどうかを思い出してみてください。お湯が問題なくはれたというならば、給湯器に問題はありません。この場合、考えられることは「追い焚きポンプの呼び水不足」です。前述したように、追い焚き機能とは、水をポンプの中に循環させて温めます。ポンプの中には常に水が溜まっており、その中の水をまず温めることで空焚きを防止しているのです。しかし、冬場など気温が低いときは、凍結防止策としてポンプの中の水がすべて排出されてしまいます。そのため、追い焚きができなくなるのです。このようなトラブルは、古いタイプの一つ穴追い焚きでよく見られます。呼び水をしてあげれば追い焚きが再びできるようになるでしょう。なお、ここ10年ほどの追い焚き機能では、ポンプの中の水が少なくなった場合、自動で水を補給するようになっています。
2-2.追い焚きが途中で止まってしまう
設定した温度まで温まっていないのに追い焚きが途中で止まってしまう。こんなトラブルもよくあります。これは、釜内部の循環が悪くなっていることが原因かもしれません。二つ穴の場合はポンプ内に湯あかが溜まりすぎていると追い焚きが途中で止まりやすくなります。また、子どものお風呂用おもちゃやヘアピンなどがポンプ内に吸い込まれてしまっても、循環が悪くなるでしょう。二つ穴はこまめに掃除が必要です。
一つ穴の場合は、フィルターが湯あかなどで目詰まりしていると追い焚きが途中で止まりやすくなります。一つ穴のフィルターは外せますので、一度見てみましょう。
2-3.スイッチを押しても反応しない
現在出回っている給湯器のほとんどが、スイッチを押すだけでいろいろな操作ができます。スイッチはほぼ毎日使うものですから、部品の摩耗が激しくある日突然故障することも珍しくありません。スイッチを押しても全く反応がない場合は、キッチンなど別の場所についている給湯器のスイッチを押してみてください。問題なく動くようでしたら、スイッチのトラブルである可能性があります。
2-4.追い焚き機能がおかしいなと思ったら
- お湯が出るのかどうか
- ポンプの呼び水をしているかどうかの
- 給湯器の元電源が入っているか
- 別の場所にあるスイッチから給湯器が操作できるか
- フィルター等の目詰まりがないか
このような確認をまず行ってみましょう。お湯が出ず、家中のどこからも給湯器が操作できない場合は、給湯器の故障である可能性があります。
3.給湯器の故障が疑われる場合
では、給湯器の故障が疑われる場合はどうしたらよいのでしょうか? この項では、対処方法をご紹介します。
3-1.給湯器の故障が疑われる場合
給湯器の故障が疑われる場合は、まず元電源を切って給湯器の使用を止めてください。給湯器が故障しかけている場合、時間を置けば再び使えるようになることもあります。しかし、壊れかけの給湯器を無理に使っていると火災の原因となることもあるのです。一般的に給湯器の寿命は10年~15年といわれています。もちろん、それ以下の年数で故障することもありますし20年近く問題なく使える給湯器もあるでしょう。ですが、10年近く使っている給湯器が故障した場合は寿命の可能性があります。
3-2.業者に修理を依頼する
賃貸物件の場合は、まず管理会社か大家さんに連絡をしてください。賃貸物件の場合は修理業者が決まっている可能性があります。この場合、借りている人が給湯器を壊したケースでない限り、大家さん負担で給湯器の修理や交換が行われるのです。
持ち家の場合は、給湯器を取りつけてくれた業者に連絡して修理をしてもらってください。給湯器の説明書に取りつけ会社の連絡先が記してあるはずです。給湯器を取りつけた業者がすでにない場合や連絡先がどうしても不明な場合は、ネットで最寄りの修理業者を探してみましょう。出来る限り多くのメーカーの給湯器を取り扱っている業者がおすすめです。
3-3.交換か、修理か
給湯器の故障の場合、交換か修理かを選択する必要があります。スイッチの故障程度でしたら修理で十分ですが、給湯器内部の部品が故障していた場合はよく考えてみましょう。
給湯器を購入して8年未満で故障した場合は壊れた部品がたまたま劣化しやすかった可能性があります。またこの場合、他の部品が劣化している可能性は低でしょう。
一方、10年近く使っている給湯器の場合は部品を取り換えてもすぐに別の故障が出てくるかもしれません。業者からも取り換えをすすめられることが多いでしょう。
3-4.交換する場合の相場
給湯器は多機能なものほど高価です。浴室に乾燥機能やミストサウナなどがある場合は、給湯器も高価なものである可能性があるでしょう。給湯器の値段は、10万円代~40万以上と幅広いので必要な機能のついたものを購入するとよいですね。支払い方も一括だけでなく分割も利用できます。
3-5.業者の選び方や注意点
給湯器の修理や交換をしてくれる会社はたくさんあります。できるだけたくさんのメーカーの製品を扱っている業者ならば選択肢も豊富です。また、アフターフォローが手厚い会社は施工も丁寧ですので信頼できます。
なお、給湯器の故障は冬場に多く、場所によってはすぐに業者が来てくれないこともあるでしょう。冬場に給湯器が故障をすると大変です。現在の給湯器はいきなり壊れるということは少なく、少しずつ調子が悪くなっていくことが多いでしょう。水とお湯の温度調節がうまくいかなかったりお湯の出が悪かったりした場合は、できるだけ早く業者に点検を依頼しましょう。壊れてから依頼をすると給湯器の選択肢も限られてきます。
4.追い焚き機能に関するよくある質問
Q.給湯器を交換する際、追い炊き機能だけのものから多機能のものにグレードアップすることはできますか?
A.浴室の状態や給湯器の設置場所の状態によってできる場合とできない場合があるので、まずは業者に相談をしてください。
Q.給湯器が故障して今すぐ修理に来てもらうことはできますか?
A.業者が対応してくれる場合なら可能です。そうでない場合も多いので、早めに点検に来てもらいましょう。
Q.追い焚き機能の清掃はどうしたらよいですか?
A.取扱説明書のメンテナンス方法を参照してください。また、専用の洗剤も販売されています。
Q.二つ穴から一つ穴へのリフォームは可能ですか?
A.浴室の状態によって異なりますので、まずは業者に問い合わせてみてください。
おわりに
今回は追い焚き機能についていろいろとご説明しました。追い焚き機能は便利ですが、いきなり使えなくなると大変困ります。給湯器の調子が悪いなと思ったら、できるだけ早く点検をしてもらいましょう。そうすれば、余裕をもって新しい給湯器を選ぶことができます。