太陽熱温水器とは? 仕組みと導入するメリットについて

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あなたは「太陽熱温水器」という存在を知っているでしょうか? 現代では、環境にかんする問題が取り上げられることが多いです。この太陽熱温水器は、現代環境への配慮をしっかり行えるクリーンなエネルギーとして注目されています。そんなクリーンエネルギーを自宅でも取り入れることができるのです。

この記事では、太陽熱温水器の仕組みや特徴についてまとめました。

  1. 太陽熱温水器とは?
  2. 太陽熱温水器の仕組み
  3. 太陽熱温水器のメリット
  4. 太陽熱温水器のデメリット
  5. ランニングコストの違い

1.太陽熱温水器とは?

太陽熱温水器とは、太陽の熱を吸収してお湯を作り出す機器のことです。太陽は、地球に光だけでなく熱をもたらします。その熱を利用してお湯を作るのが太陽熱温水器です。日本では1970年代に生まれていました。しかし、石油危機の影響や太陽光を効率よくエネルギーへと変換することが難しくて浸透しませんでした。しかし、地球温暖化の問題を背景にエコ住宅の需要が高まっています。

そこで、再びスポットがあたったのが太陽熱温水器です。太陽熱温水器ならば二酸化炭素を減らしながらお湯を沸かすことができます。また、自治体からの補助金整備・温水器のバリエーション増加に伴って需要が高まっているのです。

1-2.太陽光発電とは違う

太陽熱温水器は、太陽光発電とは違います。太陽光発電では、パネル1㎡あたり約150w発生するもの。しかし、太陽熱温水器ならば1㎡あたり500w発生します。これは、太陽熱のほうがエネルギーを持っていて電気に変えることができるからです。

1-3.太陽熱温水器の特徴

太陽熱温水器は、太陽光発電と違ってさまざまな特徴があります。まず、ひとつ目にエネルギーが枯渇しない点が挙げられるでしょう。太陽のエネルギーは膨大で繰り返し使えるメリットがあります。

また、日射量の違いこそありますがどの地域でも使うこともできるのもポイントです。さらに、最大のメリットとして二酸化炭素などの排出が少ない点。石油や化石燃料を使わないのでクリーンなエネルギーと言えます。石油などを使わないので光熱費のコスト削減できるのもお得です。

2.太陽熱温水器の仕組み

2-1.太陽熱を集める「集熱器」

太陽熱温水器に備え付けてある集熱器。この部分は、太陽熱温水器の大分部を占める場所となっています。集熱器は、文字とおり熱を集めてお湯を作るのです。一般的に、集熱器はステンレスやアルミニウムでできています。

2-2.水を循環するシステム

太陽熱温水器は、集熱器だけでなくお湯の循環装置も付いているのです。太陽熱温水器には、集熱器で作ったお湯を保存するタンクが付いています。このタンクには、集熱器で温まったお湯が保存されるのです。

これは、お湯が上に上がる性質を利用しています。反対に、冷たい水は底へ沈むのです。その水と熱湯が交互に循環するようになっています。

3.太陽熱温水器のメリット

ここまで太陽熱温水器について紹介しました。では、具体的にどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。

3-1.初期投資が安い

太陽熱温水器は、設備投資が安いのが特徴です。初期費用として10万円から付けることができます。最高でも100万円で取り付け可能なので太陽光発電に比べると安い金額です。

また、取り付けてしまえば無料でお湯を沸かして光熱費をカットできるのもメリット。さらに、今では自治体から補助金も出るところがあるのです。太陽熱温水器を付ければ太陽光発電より早く元を取ることができます。

3-2.設置の仕方が簡単

太陽熱温水器は、簡単に設置できるのもポイントです。すでに設置してあるガス給湯器に接続できます。つなぐことができればお湯はりやシャワーにも使えるのがポイントです。

また、屋根だけでなく地上に設置できるのもメリットとなります。太陽電池パネルなどが屋根にあってもスペースがあれば地上にて設置できるのです。もちろん、太陽熱温水器と太陽電池の2つを併用して使うことも可能となっています。

3-3.耐久度が高い

太陽熱温水器は、耐久性が高いのも特徴です。太陽電池などと違い仕組みがシンプルなので20年程度は壊れることなく使えます。

また、装置自体がシンプルなので設置も簡単です。専門業者でなくても付けられるのもうれしい点と言えるでしょう。

3-4.保温性が高い

太陽熱温水器は、非常に保温性が高い点も魅力です。昼間に温まった熱があれば太陽のない夜や朝でも使えます。

また、寒い12月や1月でも40℃近くまでお湯が沸くのです。熱いお湯がほしいときは、冬場だけガスの力を借りれば大丈夫。

4.太陽熱温水器のデメリット

太陽熱温水器にはさまざまなメリットがあります。しかし、デメリットも存在するもの。この項目でチェックしておきましょう。

4-1.屋根の状況に左右される

太陽熱温水器は、集熱器がどうしても必要なため屋根の大部分を占めます。また、ソーラーパネルと違ってデザイン性に欠けるのも事実です。

また、屋根に取り付けるためには強度が必要となってきます。太陽熱温水器は、取り付けなどは簡単ですが重量があるもの。太陽熱温水器自体はそれほど重くないですが水が入ると200~400㎏となります。そのため、屋根の強度にそれだけのものがもとめられるのです。

4-2.天候に左右される

太陽熱温水器は、太陽熱をエネルギーとしています。そのため、雨などが続くとお湯に変換できないのを知っておきましょう。太陽熱温水器だけでなくガスや電気エネルギーと併用して使うことをおすすめします。

5.ランニングコストの違い

ここまで太陽熱温水器の特徴を紹介しました。では、実際にどれぐらい太陽熱温水器にて安くすることができるのでしょうか。

家庭用のお風呂では、約200ℓのお湯が必要となります。これをガスで沸かせば200円、灯油ならば110円程度になるもの。電気ならば87円ほどになると思いましょう。

しかし、太陽熱温水器ならばゼロ円です。昼間に温めておいたお湯を使うだけなので安上がりになります。

まとめ

この記事では、太陽熱温水器について紹介しました。最後に、太陽熱温水器のポイントについてまとめておきましょう。

  • 太陽熱温水器は、太陽光発電と違う。
  • 太陽熱温水器は太陽熱を利用して水を温める。
  • 温めたお湯は長期間使うことが可能。
  • 太陽光がエネルギー源のため枯渇する可能性が少ない。
  • 二酸化炭素を削減できる。
  • 設置するのが簡単である。
  • 初期投資も安く済む上、元も取りやすい。

太陽熱温水器は、地球温暖化となっている現代にとって強い味方となる装置です。今では太陽熱温水器の効果や設置状況も改善されて補助金も降りるようになっています。そのため、非常に使いやすい装置のひとつとなってきているのです。太陽熱温水器は、簡単に付けられる上にランニングコストに優れています。ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。