ウォーターハンマー現象って何?仕組みや異音の原因・対策方法を解説!

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水道や給湯器を使っている際、「コンコン」「トントン」など、何かを叩くような音が聞こえることはありませんか? このような現象をウォーターハンマー現象といい、放置しておくと給湯器や水道管が破損し、重大な事故につながる恐れもあるため注意が必要です。

そこで今回は、なぜウォーターハンマー現象が起こってしまうのか、解消するためにはどう対処すればいいのかについて詳しく解説していきます。

ウォーターハンマー現象に悩まされている方は、この記事を参考にしてすぐに正しい対処をしてくださいね。

  1. ウォーターハンマー現象とは?
  2. ウォーターハンマー現象が起こる原因
  3. ウォーターハンマー現象の対策方法
  4. ウォーターハンマー現象まとめ

1.ウォーターハンマー現象とは?

ウォーターハンマー現象は「水」と「配管」が関係しています。水を使う場所で発生しやすく、変な音が出てくる現象です。別名「水撃(すいげき)作用」とも言われています。給湯器や洗濯機など水道を使う際に変な音が出る人は要チェックです。ウォーターハンマー現象の原理やメカニズムを知って原因を突き止めていきましょう。

1‐1.ウォーターハンマーとは?

「ウォーターハンマー」という言葉を初めて聞いた人は多いでしょう。簡単に説明すると、水道の蛇口を開閉する際、ハンマーでたたいたような音が出る現象のことです。発生する音の特徴から「ウォーターハンマー」という名前がつきました。しかし、なぜハンマーのような音が出るのでしょうか。

原因は、水がとおる配管内の水圧が関係しています。水の流れが急激に変化したとたん、配管内の圧力も変わるものです。たとえば、ポンプやバルブを急にあけると圧力が瞬間に高まるでしょう。圧力の急激な高まりによって、圧力波が発生します。圧力波は上流に伝わり、配管が振動することよって音が発生するのです。

1‐2.急激な圧力変化はおよそ10MPa以上

水がとおる配管内の圧力変化によって起こる音が「ウォーターハンマー」です。気になるのが、急激な圧力変化の大きさですが、思っている以上にかかる圧力は強まります。

なんと、瞬間時にはおよそ10MPa以上の圧力変化が起きているのです。10MPa以上の圧力変化は、バルブや結合部、配管や給湯器装置など揺らすほどの大きさだと思ってください。古い給湯器の場合、ウォーターハンマーによって壊れる可能性もあります。

もし、ウォーターハンマーによってバルブが破壊すれば大きな事故につながるでしょう。実際、海外の事故ではウォーターハンマーによる死亡事故が起きています。事故を防ぐためにも早めの対策が必要です。

1‐3.ウォーターハンマーを放置するとどうなる?

圧力変化によって起こるウォーターハンマーのメカニズムは非常に危険です。発生する音を放置すると、大変な事故につながります。放置すればするほど、給湯器や洗濯機などのセンサーなどに損傷を与えるでしょう。いつも普通に使っていた機能が使用できなくなってしまいます。最悪なケース、給湯器・洗濯機本体が壊れる可能性もあるのです。

特に、住宅が集合している地域、マンション・アパートでは注意しなければなりません。振動や騒音が目立ってしまうため、近隣トラブルに発展することもあるでしょう。水道管破裂にもつながるので、できるだけ早めに解決してくださいね。後ほど、対処法や対策について説明します。

ウォーターハンマー現象は、水道の蛇口を開閉する際、ハンマーでたたいたような音が出る現象のことなんですね。
圧力の急激な高まりによって、圧力波が発生し、圧力波は上流に伝わり、配管が振動することよって音が発生するのです。

2.ウォーターハンマー現象が起こる原因

2‐1.配管内で発生する“ドレン”の衝突

ウォーターハンマーの原因は主に2つあります。1つ目が「配管内で発生する“ドレン”の衝突」です。蒸気が配管内で移動している場合、“ドレン”という液体に変化した蒸気が出てきます。配管内にたまっているドレンが蒸気の流れによって配管内を移動するのです。そして、少しずつドレンの塊ができ始めます。

ドレンの塊が高速で移動すると、配管途中にあるバルブや曲がり角にぶつかるでしょう。ぶつかったときに発生するのがウォーターハンマーです。配管内を移動する高速のドレンが原因で生まれるウォーターハンマーは注意しなければなりません。

2‐2.急激に凝縮したドレン同士の衝突

もう1つの原因も“ドレン”にあります。蒸気が液体になるドレンは、蒸気が放熱しているあかしです。放熱している蒸気に冷たいドレンが接触することで、一気に凝縮します。凝縮したドレンは上記体積がほとんどゼロに近い状態です。

よって、もともとドレンが存在していた空間が真空状態になるでしょう。真空状態になった空間に凝縮したドレンがぶつかり合い、ウォーターハンマーが発生するパターンです。配管内で発生するドレンのウォーターハンマーよりも、以上のドレン同士による衝突が多いでしょう。きちんと対策をしておけば未然に防ぐことができます。

しかし、環水管(かんすいかん)などは放熱状態と冷たいドレンが混ざりやすくなっているので要注意です。常に発生しやすい環境になっているため、対策が難しくなるでしょう。実際、起きている原因はどちらになるのか確かめてください。

ウォーターハンマーの原因は主に2つあるんですね。
配管内で発生するドレンの衝突と、急激に凝縮したドレン同士の衝突です。

3.ウォーターハンマー現象の対策方法

3‐1.水撃(すいげき)防止器などの装置を取りつける

ウォーターハンマーの対策は配管内の状況や場所・環境によって異なります。一般家庭における対策としては、「水撃(すいげき)防止器」などの装置を取りつける内容です。給湯器や水道関連の作業を取り扱っている業者にはウォーターハンマー対策用のアイテムがそろっています。購入するために費用はかかりますが、装置を取りつけておけば対策ができるでしょう。

また、日ごろからできる対策としては“水栓をゆっくり閉める”動作があります。急に水栓をあけることで配管内の圧力が変化するでしょう。配管内の水圧変化を防ぐには、扱い方が大きなポイントになります。日常生活で気をつけるべき点を少しずつ試してください。音がひどくなって気になる人は、業者に1度相談すると良いでしょう。相談するときは、できるだけ詳しい状況を伝えることが大切ですよ。

3‐2.ドレンが発生しにくい環境をつくる

配管の種類や仕組みによって異なりますが、最も大切なのは「ドレンが発生しにくい環境」にすることです。配管内に発生する“ドレン”によってウォーターハンマーが起こります。音の原因となるドレンを取りのぞくことができれば、ウォーターハンマー現象の心配もいりません。

たとえば、長い月日使用している給湯器や洗濯機は少しの振動でも故障しやすくなっています。長年使用している給湯器・洗濯機は新しいものに買い替えたほうがお得です。装置を充実することも大切な対策になるでしょう。新しいものに買い替えるときは、ウォーターハンマーが起こりにくいタイプを選んでくださいね。

業者に相談しながら自分たちのライフスタイルに合った種類を選択しましょう。相談する際、業者の対応やサービスにも注目することが大切ですよ。きちんと説明にのってくれる業者は、安心してウォーターハンマー対策ができます。

給湯器や水道関連の作業を取り扱っている業者にはウォーターハンマー対策用のアイテムがそろっているんですね。
購入するために費用はかかりますが、装置を取りつけておけば対策ができるでしょう。また、日ごろからできる対策として、水栓をゆっくり閉めることを心がけましょう。

4.ウォーターハンマー現象まとめ

ウォーターハンマーの現象や原因、対策について説明しました。ウォーターハンマーは水・蒸気がとおっている配管内の圧力変化によって起こります。急激な圧力変化によって配管内のドレンがぶつかり合い音が出るのです。

また、ウォーターハンマーの原因は2つあるので、しっかり原因を見極めることも大切になります。変な音が出ている原因を見極めて、適切な対処をしていきましょう。そして、事前にウォーターハンマーの対策をしてくださいね。

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